大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)2749 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人岡本共次郎の上告趣意は、後記のとおりである。

所論Aは、第一審公判廷において証人として尋問されたのであるから、被告人は

同証人に対しては審問する機会を与えられたわけである。同証人の陳述したという

被告人自身の供述については審問する機会を与えるということは問題とならないこ

と言うまでもない。そして証人Aの供述は、刑訴三二四条の適用される場合である

から所論のように刑訴三二〇条に違反するものではない。また、本件では証人Aの

供述のほかに所論盗難被害始末書をも証拠として引用しているのであつて、補強証

拠たるには「被告人がその物品を窃取したと云う」結びつきを必要とするものでは

ないから、被告人本人の自白を唯一の証拠としたものではない。なお、証人Aの供

述はもとより被告人本人の供述といえども強制拷問若しくは脅迫によつたものであ

るるとは認められない。それゆえ、これらの点に関する憲法違反の主張は、その前

提を欠き理由がない。なお、十日間留置後の被告人の供述を目して不当長期勾禁後

の自白であると主張しているが、かゝる主張は憲法違反に名を藉りるものであるか

ら採用できない。その他本件には刑訴四〇五条の上告の事由もなく同四一一条を適

用すべきものとも認められないので、刑訴四〇八条に従い裁判官全員の一致した意

見で主文のとおり判決する。

昭和二七年五月六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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